タンバリンの髙橋です。ふりかえりのYWT(わいだぶりゅーてぃー)というフレームワークをご紹介します。
YWTとは何か?
日本能率協会コンサルティングが提唱したふりかえりのフレームワークです。 YWTは以下の頭を取った略称です。覚えやすいですね。
- Y:やったこと
- W:わかったこと
- T:次にやること
実施の事前準備
- 道具を用意する:付箋、サインペン、模造紙またはホワイトボード、タイマー
- オンライン実施の場合は、使用ツールの事前動作確認必須。
- trelloやJamboard、miro、DropboxPaper、スプレッドシートなどお好みで。
- グラフィカルにやりたいか、議事録で二次利用したいか等を判断材料に。
- ふりかえりのテーマを募集する
参加者の招待、時間・場所の確保
タイムスケジュールを決める
60分ふりかえり時の時間配分目安です。オーバーするのでざっくりでOK
- . 話し合うテーマ、グランドルールに同意する(5分)
- やったことを付箋紙に書く(個人作業:5分)
- やったことを共有する(チーム作業:7分)
- わかったことを付箋紙に書く(個人作業:5分)
- わかったことを共有する(チーム作業:7分)
- 次にやることを付箋紙に書く(個人作業:5分)
- 次にやることを共有する(チーム作業:7分)
- アクションに落とし込み合意する(チーム作業:5分)
- 全体のふりかえり
()内注記 - 個人作業:個人でもくもく作業 - チーム作業:参加者に対してシェアしたり、みんなでやる作業
実施
1. 話し合うテーマ、グランドルールに同意する(5分)
- 問題対わたしたち、反省会ではない、一人ひとりの意見を尊重、他、ふりかえりにおけるお約束事を周知します。
- 上司と部下の関係や、仲違いメンバーがいても、全員が課題と向き合う場と認識してもらいます。
- 話し合うテーマについて詳細化が必要かどうか、このテーマでOKか、参加者の合意を得ます。
2. やったことを付箋紙に書く(個人作業:5分)
- 付箋やtrelloのカードに、テーマに沿って実施したことを個人作業でもくもくと記入をしてもらいます。
- 良いこともネガティブなことも、事実を書いてもらいます。
3. やったことを共有する(チーム作業:7分)
- 書いた内容を参加者に分かるよう、共有してもらいます。
- この時、一人30秒以内におさまるように、とアナウンスしてください。
- 7分以上になっても、皆の書いた付箋はさらっと全体触れられるようにしましょう。
4. わかったことを付箋紙に書く(個人作業:5分)
- やったことを踏まえ、良いこともネガティブなことでも、気づきを書いてもらいます。
5. わかったことを共有する(チーム作業:7分)
- やったことを共有する、と同様に実施。
- 他の人へ感謝ポイントがあったら「ありがとう」を伝えましょう。
6. 次にやることを付箋紙に書く(個人作業:5分)
- わかったことを踏まえ、次にやることを書きます。
- やったこと、わかったことに関連しなくても、挑戦・試したいことでもOKです。
7. 次にやることを共有する(チーム作業:7分)
- やったことを共有する、わかったことを共有する、と同様に実施。
8. アクションに落とし込み合意する(チーム作業:5分)
- 次にやることで出てきた内容を「効果的」「すぐできる」で振り分けて、優先度が高いものから実施できるか、具体的にはどうするかを考えます。
- BacklogタスクやToDoリストまで記載できると良いです。
9. 全体のふりかえり
- 実施した後、参加者の皆さんからフィードバックをもらい、次のふりかえり実施の時の参考にします。
- 時間が足りなければ、別途フィードバックもらうようにしてください。
既視感ありませんか…?
日報や進捗会議で「やったこと」「次にやること」は報告されていると思います。 ここに「わかったこと」を挟むことで、ミニマムにふりかえりすることができます。
「次にやること」が次のふりかえりで「やったこと」になり、 「わかったこと」で気づいたことを考え「次にやること」がどんどんブラッシュアップされていくイメージです。
(参考)KPT(KPTA)とYWTはどう違うの?
「思い出し」行為
ふりかえりでは、過去の行動を「思い出し」してから分析することが重要になります。 YWTは最初に、やったことを挙げていくので、これが思い出しに当たります。
KPTA(けぷた)では、まず最初に「思い出し」をした後にKeepを挙げるルールがありますが、 「思い出し」をしないまま、いきなりKeepを挙げてしまい、うまく使えない印象を抱く人もいるようです。
向き不向き
KPTAとYWT使い方はほぼ一緒、ではありますが、大きいカテゴリとしてこんな感じかと。
KPTA:業務の内容や目標、カイゼンポイントをふりかえる YWT:経験や学びをふりかえる
また、KPTAのProblem(問題)ありき前提で会話するのを避けたい場合、 あえてYWTのふりかえりを挟むことがあります(メンバーが疲弊しきってるプロジェクトとか)
個人的には、お試しで初回はYWT、2回目以降KPTAの実施をやってみることをお勧めします。
参考リンク
これだけ!KPT(書籍)